学生時代の興味関心と20年越しに向き合ったら、自分が本気でやりたいことだった
「自分はこの仕事がしたい!」って決めている方は本当にすごいと思います。
僕は学生時代から「なんとなくこれが好きだけど」みたいな気持ちはあっても、強い覚悟があるかっていうと…どうだろう?みたいな(笑)
でも、「少し気になっている」という思いをずっと持っていたら、いつの間にか、自分が打ち込める仕事に巡り合っていたんですよね。
自分の好きなことってなんだろう? 自分の軸となっていることって何だろう? って悩んでいる方も結構いるんじゃないかなと思います。
これはあくまで僕の場合の話ですけど、その答えは、学生時代の“興味関心”にありました。
【今回の社員】
シナネン株式会社
環境エネルギー事業本部 電力ソリューション営業部
ライフソリューションチーム チーム長
小松 良行
■「環境」のことになると不思議とスイッチがONになる
僕が学生時代に興味があったのは、ずばり「環境問題」です。
卒論のテーマも色々ある中で選んだのが環境経済学である「ゼロ・エミッション」。持続可能な社会システムを構築するにはどうしたらいいかと研究していました。
ちなみに、もう20年以上前のことです。当時は、京都議定書が締結されたころで、SDGsなんて言葉もありませんでしたからね。今となっては、先見の明があったのかな、と勝手に思っています(笑)。
なんで興味を持ったのかって言うと、実は、自分でもうまく説明できないんですよね。
何となく吸い寄せられたというか…明確なきっかけもなくて。でも、のめり込むようにやっていましたし、研究を苦に感じたことはありませんでした。
その割には、不思議なもので、就職活動では環境を軸にしようとは考えませんでした。僕が惹かれたのはメーカー。ものづくりに近いところで仕事をしたいっていう思いがあったんです。ありがたいことにいくつか内定をもらった中で、当時業界としても最盛期であったという理由で給湯器メーカーに営業として入社しました。
自分で言うのもなんですけど、快活…というかよく喋るタイプで(笑)、人と会うのが大好きなんです。だから、営業の仕事が楽しくてしょうがなかったですね。営業成績も付いてきて、数年後にはマネージャーとして部下をまとめる立場になりました。
実は、その当時担当していたお客様の1社がシナネンでした。シナネン側の担当の方にも良くしてもらったこともあって、なんだか居心地が良くて。何かと用事をつくっては毎日のように立ち寄る時期もありました、迷惑な話ですよね(笑)。
■今思うと、「環境を考える会社で働きたい」と思うのは普通のことだった
トータルで19年勤めたのですが、家庭の事情で拠点を変えざるを得なくなって、転職を決意しました。
転職先は、外資系の消毒剤メーカー。入社したときは、ちょうどコロナ禍になって間もなく、感染者が増加してきたタイミングで、目が回るほど忙しかったですね。
僕は法人営業の担当だったんですけど、仕事をするうちに、少しでも多くの人に消毒剤を届けることが社会の役にも立つと考えるようになって、BtoCの営業もしたいと思うようになりました。
でも、社内でその思いを伝えてもBtoBに専念するという方針は変わらず。もっとできるはずだという自分の気持ちを押さえつけようとしたものの、結局折り合いを付けられませんでした。
退職を考え始めたのは、入社から1年も経たないうち。
このときに改めて「一番興味があることって何だろう?」「自分が打ち込める仕事ってなんだろう?」と自分を見つめ直したんです。
それで真っ先に思い出したのが、環境をテーマに研究していた学生時代でした。
新卒の段階でそういう道を選んでおけば…みたいな後悔はなかったです。学生時代には自分が環境に関心があるっていう自覚がありませんでしたからね。
むしろ、違う道を選んで、20年以上経ったときだったからこそ、自分が本気で打ち込みたいと思える道に気づけたんじゃないかなって。
この思いは大切にしようと、環境に関わる会社を軸に転職活動を始めたら、シナネンに再び出会うことになりました。
面接の場では、「小松さんはどんなことがしたいの?」と僕がやりたいことを中心に話を聞いてくださったのが嬉しかったですね。
ちょうどシナネンが再生可能エネルギーを活用した電気販売に関する新事業の担当者を募集していて、その内容と僕が目指している方向性がマッチしたんです。お話を聞いたときは「面白そう!」と心が躍りましたね。
電力自由化のなかで、電気事業で戦う難しさも、正直あることは分かっていました。でも、それも望むところだと、いばらの道で成功を収めたいという野心が芽生まして(笑)。
面接に進んでからも、環境問題と正面から向き合うために新規事業にも積極的に挑戦していくんだという会社の覚悟に惹かれ、迷いなく入社を決めました。
■「放“認”主義」がモットー。恩師から学んだことを部下に活かし続ける
配属された電力ソリューション営業部は、その名のとおり電気事業を担当していて、そのなかで僕は主にBtoC向けの営業を担っています。チーム長として、5名の部下のマネジメントをしています。
僕がモットーにしているのは「放“認”主義」。
部下のやりたいことをしっかり認めて任せる、という造語です。命令ではなくて、自分の意見や意思を大切にしてほしいですし、僕もその気持ちを応援したいと思っているんです。
この考え方は、給湯器メーカーの新入社員だったときの上司から学びました。「挑戦したかったら、何でもやってみなよ」と言ってくれる方で、ダメなものはダメと怒られることもありましたが、当時キャリアが浅かった僕にも結構自由にやらせてくれました。それが自分にとってもやりがいに感じられたんですよね。
今となっては、僕が影響を受けた上司の真意は分からないんですけど、こうして自分が同じ立場になってみて、上司の最大のミッションは、部下の給与を上げることにあるんじゃないかなって思うんです。
「会社で〇〇を実現しよう」と言われても、なかなか自分事として考えにくいですよね。それよりも、自分自身や家族、大切な人をもっと幸せにすることを一番に考えてもらう。
結局、ゴールは一緒で成果を上げることにあります。でも、“自分のため”と言われた方が、モチベーションが上がるんじゃないかなって思うんです。
だから、チーム長としての僕ができるのは、背中を押すこと。「これがやりたい!」っていう思いに、できる限り「いいね、やってみよう!」と応えることで、どんどん自ら動いて成果を挙げてもらえるようにしています。
■成功したいのは、ほんの少しでも環境を意識してほしいから
僕がいるライフソリューションチームが担っている事業の一つに、募集職種でもにおわせの記載があった個人向けの電力販売があります。それが「シナネンあかりの森でんき」です。
このかわいいキャラクターたちを通して子どもたちにもっと環境保全の大切に触れてほしくて、自然と営業にも力が入りますね。
ただ、販売開始から間もなく1年ですけど、認知度はまだまだ低いのが実情です。脱炭素社会を目指すこの日本で、再生可能エネルギー由来の電力を普及させたいですし、その価値を感じてもらえる人を少しでも増やしたい一心で、事業と向き合い続けています。
ちょっと大袈裟かもしれませんけど、「シナネンあかりの森でんき」を広めることがエネルギー会社としての社会貢献にもなるんじゃないかなと思っています。
今考えると、巡り巡って、不思議な縁ですよね。
学生時代に何となく考えていたことが始まりで、ひょんなきっかけから本気でやりたいことに気づいて、いつの間にかガッツリ仕事になったという(笑)。
色々な人の話を聞きますけど、やっぱりキャリアの築き方に、絶対的な正解はないんだなって思います。
僕の場合、蓋をしていたつもりはなくても、根底にある思いが、学生時代から変わっていなかったんでしょうね。
研究が仕事に変わっても、生涯関わっていきたいと強く思えることに出会えたのは、その思いが手繰り寄せてくれたおかげなのかもしれません。
(終)
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