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都心を離れた働き方もいい。片道2時間かけて通う土地での”地域貢献“という仕事


10年前には想像もしていませんでした。

元々は、不動産業界の営業担当。自分の性格を一言で表すなら、まさに「数字一筋、ガツガツしたタイプ」。

そんな自分が今は、縁もゆかりもない埼玉県の日高市へ約2時間掛けて通勤し、地域密着の都市ガス会社で働いています

日高市は、山に囲まれて緑が多く、市の真ん中には高麗川が流れる、自然豊かな街です。最近では、都心からちょっと離れた、移住スポットとしても注目されています。

自分が働いている日高都市ガスという会社はと言うと、日高市か、都市ガス業に所縁がある社員がほとんど。自分で言うのもなんですが、性格的にも、キャリア的にも、僕はちょっと異質だと思います(笑)。

それでも、この日高市で働くというキャリアを選んだのはナゼなのか?

その理由と、今の気持ちを少しだけ語らせてください。

【今回の社員】

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日高都市ガス株式会社
営業統括部 営業統括チーム 兼 広報 
増田 貴裕
2005年4月に不動産仲介の会社に営業職として入社。その後、注文住宅を扱うハウスメーカーに転職し、主に住宅展示場の営業を担当。2019年に日高都市ガス株式会社に入社し、新規事業である不動産事業の立ち上げと広報を兼務。


■35歳の転機。挑戦できるのは、これで最後かなって思った


最初に入社したのは不動産仲介の会社で、自分は営業担当でした。その会社はとにかく成果主義。営業成績が、そのまま給料にも直結しました。

これは、人によって合う・合わないがある社風だと思うんですけど、自分は、学生の頃から「The 体育会系」のガツガツしたタイプだったので、頑張ったぶんだけ戻ってくる働き方が合っていたみたいです。

ただ、もっと大きな金額を任されたかったのと、自分でお客様のオーダーに応えた家づくりを手伝いたいという気持ちが強くなって。2社目は注文住宅の中堅ハウスメーカーに転職し、住宅展示場での営業をしていました。

その会社でも、それなりに成績が上がって、マネジメント職も経験しました。次第に何となく「このまま、この会社で働き続けても良いかな」と思う気持ちも生まれてきたんですが、なんとなく踏ん切りがつかない自分もいました。

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決定的になったのは35歳のとき。今振り返っても、これだ!というきっかけがあったわけじゃないんですけど、転職をしようと思い立ったんです。

強いて理由があるとするなら……年齢、ですかね。

35歳は、四捨五入すると40歳…でも、まだ30代とは言いたい!という絶妙なところ(笑)。とはいえ、40歳が近づくにつれて、転職のハードルが上がるのは確かです。そう考えると、35歳は転職できるラストチャンスかな、という気持ちはありました。

ちょうどそのときに、縁があって日高都市ガスで働く友人に「うちで不動産部門を新たにつくるんだけど、立ち上げに携わらないか」と相談があったんです。僕も、転職するなら「違う業界で、不動産に関わる営業ができたら」と思っていたので、迷うことなく飛び込むことにしました。

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面接を経て、そのモチベーションはさらに加熱しました。

「都市ガス会社が不動産に挑戦する事例は少ない。日高都市ガスとしても初めての挑戦になる。たった1人での立ち上げになるが、増田さんに任せたい」

「安定した都市ガスから、チャレンジする社風に変えてほしい」

こんな言葉をいただいたら嬉しいに決まってるじゃないですか!

この面接に行って気づいたんですけど、自宅から日高都市ガス本社への所要時間は、電車とバスを乗り継いで片道2時間近く。人に話すと「なんでわざわざ!?」と驚かれますけど(笑)、この通勤時間を差し引いても、またとないチャンスだなって。

ゼロからの事業の立上げが簡単ではないことは分かっていましたけど、「この会社でこそできる仕事」「今の自分だからできる仕事」がここにあると感じたんですよね。


■不動産事業の立ち上げは“無い無い”尽くし


意気込んで入社したものの、最初の半年間は、思うように進みませんでした。

不動産事業を始めるにあたっての申請が多くて、そのせいで営業活動ができないという……。早く数字を上げたい僕にとっては、とにかく歯がゆくてたまりませんでした。

営業活動ができるようになっても、最初はアプローチがうまくいきませんでした。地元のお客様には「“都市ガス会社”の日高都市ガス」として認知されているので、突然「不動産も始めました」と言われても、ピンと来ないんです。

なので、日高都市ガスの既存事業のなかでも、「空き家管理」「住宅リフォーム」「樹木剪定」と住まいに関連したサービスのご相談が来たら同行し、お客様に地道に声を掛けて中古物件売買のニーズを探していきました。

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あとは、日高市ならではの地域ネタを知らないっていう苦労しましたね。「あそこの○○さんが…」とか、「前からある○○って店が…」と言われても、「あ…そうなんですね」と返すのが精いっぱい。

このままじゃ会話が弾まないと、日高市の図書館とか資料館に何度も通って地名や川、山の歴史、お祭りができた由来まで徹底的に勉強しました

https://www.city.hidaka.lg.jp/soshiki/kyoiku/shogaigakushu/bunkazai/rekishibunkazai/20432.html

その甲斐あって、最近ではお客様からも「おっ、よく知ってるね~!」と言われるようになって。少しは日高市の方々に認められるようになったのかな、と嬉しく感じています。


■社風は正反対。「逆境」を乗り越える方法は、自分をさらけ出すこと


一方で社内はと言うと、新卒から働いている方や、日高市に住んでいる方が多いです。社員同士の仲も良く、都市ガスという事業基盤と土地柄もあってか、社内は穏やかな雰囲気です。良くも悪くも自分がこれまでいた業界とは全然違います

そんな中で、たった1人で不動産営業を担当しているので、周りからは「増田は日高都市ガスっぽくない」と思われているかもしれません。

でも、それでいいと思っています。

他人に言われて、初めて自分の良さに気づくこともあるじゃないですか。それと一緒で、会社で言うと、全く別の業界から来た僕がいることで、自社の社風や文化の良さに気づいてもらえることもあると思うんですよね。

だから、新しい不動産事業についても仕事の内容、どんな情報が欲しいか、どんなことをサポートしてほしいか、常に自分からオープンに話すように心掛けています。

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それに、自分から話さないと、相手にも拓いてもらえないですよね。

周りから話しかけられるのを待っていたって、何も進みません。先に自分をさらけ出すことで、自然と社内でも打ち解けられ、不動産事業を応援してくれる人が増えていく。周りのせいにしないで、まず自分から変わっていく方がいいんじゃないかなって

そうやって会社に変化をもたらせるのも、この会社では異色のキャリアを持つ自分だからできることだと感じています。もちろん、すぐに成果につながる話ではないと思いますけど、信念をもって続けるつもりです。

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営業と広報を兼務する僕の上司が、口癖のようにこう言うんです。

「利益に直結する活動ではなくても、必ず未来につながっていく」

「目に見えない先に意味がある」

これは仕事の本質でもあると思うんです。よくよく考えてみると、すぐに成果が上がる仕事なんて、そんなにないですよね。地道にタネを蒔いて、いつか花が咲く。上司のこの言葉は、自分への何よりのエールになっていますね。


■日高市も会社も。自分らしく、良い方向に変えていく


入社と不動産事業の立ち上げから約2年が経ちました。お客様のご紹介が相次ぎ、今では日高市だけでなく、川越市や狭山市の中古物件も取り扱うほどに広がってきています。

一方で、日高市は、少子高齢化で人口は減少傾向にあります。それに伴って課題になっているのが「空き家」です。持ち主がいなくなって放置されたままの家は、手入れも売買もできず、近寄りがたい場所になってしまっています。ただ、その持ち主のご家族が遠方にいるとなかなか手入れもできません。

そんな市の社会問題を解決のために、日高都市ガスが中心になって何かできないかと考え、日高市内でソーシャルビジネスを展開する事業者を対象とした「ソーシャルひだかんファレンス2021」というビジネスコンテストに参加しました。

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自分は、「持続可能な地域のために~負動産を富動産に~」というテーマで、現在取り組んでいる空き家管理・不動産事業を中心に、地域連携での不動産活用を提案。

その結果、日高都市ガスが9月の最終審査で最高賞「シルバープライズ」を受賞することができました。

審査員の方からは「SDGsについてだけではなく、事業を継続していく収支計画も素晴らしかったし、各自治体や商工会と連携して、必ず成功させたい地域貢献事業なんだという強い気持ちを感じた」とコメントをいただき、この2年間を思い返して熱いものが込み上げてきました。

自分一人の力は小さいかもしれないですけど、会社や地域の皆さんと一緒に、日高市を日本で一番と言える街にしたい。日高市から、日本全国へ“変化”を発信していけたら、と強く思うようになりました。

そのなかに、日高都市ガスという会社があることで、地域の皆さんに「住みやすい街だね」って思われる街にしていくのが、これからの目標です。


もし転職をして、「なんか浮いているかも…?」と不安に感じている方がいたら、「それは会社に必要とされているサイン」だと考えてみてほしいです。

バックボーンが皆違うのは当たり前。それを新しい刺激に変えて、会社も、街も、社会も良い方向に変えていく。そんな可能性を秘めた仕事をできることが、自分がこの会社で働くやりがいです。

(終)

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