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クルーズ専門の旅行会社に転職したらコロナ禍で仕事がゼロに…。転職した今実感する“当たり前”を支える仕事の重み

16年勤めた空港のオペレーション会社。そのまま定年まで勤める選択肢もありましたが、人生は一度きり。

ずっとクルーズ専門の旅行会社で働くことに憧れていたんです。

たまたま巡り合ったチャンスを前に、1年間考え続けて、思い切って転職。やっと念願叶ったと思った矢先に、まさか自由に旅行ができない世の中になるなんて、考えもしませんでした。

結局、入社4カ月で退職を決断したものの、旅行業界全体がかつてなく厳しい中で、中途採用のアテなんて皆無。半年間も迷った先に、出会ったのがシナネンホールディングスでした。

今は、建物維持管理という、自分が今まで知らなかった「日常を支える仕事」に携わっています。

非日常を提供する仕事から、日常を支える仕事へ。自分のいる世界が大きく変わった今、強く実感しているのは“当たり前” なんてないということです。

そうそう、周りには「クルーズの旅行会社に転職したことを後悔してるんじゃないですか?」って、よく聞かれるんです。

強がりでも何でもなく、胸を張って言えるのは、今振り返っても「あの会社で働いた4カ月があってよかった」ということ。

これは、後悔しない転職、キャリア選択に対する、私なりの答えです。


【今回の社員】

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タカラビルメン株式会社
経営企画本部
右田 智大

2003年に新卒で空港オペレーション会社に入社し、接客からサービス企画まで幅広く担当。16年間務めた後、クルーズ専門の旅行会社に転職。コロナ禍で見舞われ、4カか月で退職。その後、2020年10月にシナネンホールディングスに入社。タカラビルメン株式会社に出向し、グループ会社全体の管理・連携を担っている。


■国内外を5回も転勤。憧れが現実になる16年間


学生時代からずっと航空業界に憧れを持っていまして、2003年に新卒として航空会社の空港オペレーション業務を担う会社に入社しました。かなりざっくり言うと、空港におけるフライトハンドリング全般を担う会社ですね。

最初はチェックインカウンター、搭乗ゲート、空港内アナウンスなどを担当し、その後、空港におけるサービス企画にも携わらせてもらいました。

転勤も多かったです。成田空港、那覇空港、東京本社、そこから一気にフィンランドのヘルシンキ・ヴァンター国際空港に行って、また成田空港に戻って、その次は羽田空港…という。

元々旅行であちこち飛び回るのが好きだったので、全然苦にならなかったですけどね(笑)。

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世界各地に行けて、色々な仕事に携われて、やりがいも、楽しさも感じていました。

転職のきっかけと言うと、青臭い言い方になっちゃいますけど、「憧れ」があったからですね。

実は、私が特に好きな旅行というのが、クルーズ、客船での旅行なんです。

船に乗って、のんびり各地を巡って、その土地の文化を楽しむ。なかなか言葉で言い表せないのが悔やまれますが(苦笑)、クルーズには乗ってみて初めて感じる魅力があります。

ずっと旅行者として楽しんでいたわけですが、一方で段々と「いつか自分がクルーズの旅行を提供したい」という、憧れの気持ちも芽生えてきたんです。

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ご縁があったのは、入社から16年が経った時。クルーズ専門の旅行会社を立ち上げたベンチャー企業の社長から「一緒にやらないか」と声を掛けられたんです。

憧れがあったとは言え、新卒から勤め続けて、様々な経験をさせてもらった会社を辞めてまでチャレンジするべきなのか?

悩んでいるうちに、オファーをもらってからあっという間に1年が経ってしまいました。でも、それだけ心に引っかかっていながら「やらない」なんて選択をしたら、絶対に後悔すると思って、退職を決断したのが2019年末のことでした。


■クルーズの旅行会社へ転職。コロナ禍と重なり暗雲へ


そのクルーズの旅行会社に転職したのは、2020年1月。

社長と僕を含めて4人というベンチャー企業でした。

最初の1カ月は業績も順調で、自分がやりたかったツアー企画をさせてもらって。イメージしたとおりの仕事ができた喜びもあり、それはもう楽しかったですね。

ところが、2月に入って予想もしなかった事態が訪れました。

新型コロナウイルスです。

皆さんもご記憶にあるかもしれませんが、大型客船の船内で感染が発生して大きなニュースになりましたよね。あの出来事をきっかけに、僕がいた会社も一気に予約がゼロに落ち込んでしまいました。

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もう呆然とするしかなかったですね。夢にまで見た仕事にせっかく就けたのに、仕事をすることすらままならない。しかも自分ではどうすることもできないんですから。

結局、社長とも話し合い、退職することになりました。

在職期間は4カ月。もちろん、会社に残るという選択肢もあったのですが、自分が働き続けてもすぐに状況を変えられるわけではなく、社長なりに僕のキャリアも考えてくれて。お互いに納得のうえに退職することにしました。

辞めたものの、旅行業界はかつてなく厳しい状況。中途採用を求める企業なんて、全くありませんでした。

自ずと別の業界に目を向けてみるんですが、それまでの経歴が航空業界一筋でしたからね。そんな僕を拾ってくれる会社はあるんだろうかって毎日不安でいっぱいでした。

ただ、焦ったところでどうにもなりませんし、最初の数カ月はゆっくり考える時間も取り、視野を広げながら転職活動を進めました。

そのなかでシナネンホールディングスについて初めて知ったのは、活動を始めて数か月経ってからのことでした。


■暮らしを支えるスペシャリストとの仕事


僕は空港オペレーション会社の時代から、「現場の方の仕事や意見を忘れない」という思いを持ちながら、サービス企画やバックオフィスの仕事に活かしてきました。

現場と管理って対立軸で語られることもありますけど、やっぱり本来は両輪。相互に力を掛け合わせてこそ良い仕事ができる関係だと思うんですよね。

だから、シナネンホールディングスの面接で、「現場のことを考えた経営企画を目指したい」という言葉を聞き、とても共感しましたね。

それに、たくさんの方々と関わりながら仕事がしたいという気持ちもありました。エネルギーと住まいと暮らしを掲げて、幅広い事業を行うこの会社は、僕にぴったりだなと思い、入社を決めました。

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今は、グループ会社のタカラビルメン株式会社という会社に出向し、建物維持管理事業に関わるグループ各社の連携推進や収益管理などを担当しています。

「建物維持管理事業」って、当社グループ独自の呼称ではあるんですが、何となく幅広そうですよね。実のところ、本当に幅広いです。

ビルや集合住宅、病院、商業施設等の清掃・管理、斎場の運営、受付・事務、大型給湯器の交換、住宅の原状回復……これでもまだごく一部(笑)。細かく挙げていくとキリがないので割愛しますが、こうした様々な業務に関わる「スペシャリスト」が700名も在籍する会社なんです。

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入社当時は初めて聞く専門用語ばかりで覚えるのに苦労したんですが、学べば学ぶほど視野が広がっていくことに面白さを感じますね。

一方、それぞれが専門性を持って、それぞれの持ち場に分かれて仕事をしているので、一体感を感じられる仕組みも欠かせません。僕自身も、実際に現場の方々の声を聞き、その熱意や思いを汲み取り、現場と経営陣の懸け橋となるよう心掛けています。

プロフェッショナルなスキルを持った社員同士が結びついていくって、不思議とワクワク感がありますね。何と言うか、新しい何かが生まれるんじゃないかなと。人と人とを結びつける仕事は、こんなにもやりがいに満ちているんだと実感します。


■当たり前なんて、ない。


いくつか例は挙げましたが、タカラビルメンの仕事に、華やかなイメージはないかもしれません。

でも、一つ胸を張って言えるのは「人の人生を支える仕事」を誠実に行っている会社だということです。

私たちが出かけた先で建物・施設内が清潔に保たれているのは、快適に使える裏には、誰かがきちんと清掃してくれているからです。

言われてみれば、それはそうだと思われますよね。

でも、私たちが当たり前と思いこんでいることは、実は誰かが支えてくれているから成り立っているんです。

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人生のうちで、ほんの僅かな時間かもしれませんけど、その時間も誰かに支えられている。そう考えると、私たちタカラビルメンの仕事は、誰かの人生を支えることが仕事と言えるんじゃないかと思うんです。

直属の上司にもよく言われるんです。「フロント(現場)の方が活躍するように」と。僕はこの言葉を大切に、最前線で“当たり前”を支えている社員への敬意を持ち、バックオフィスとしてそのサポートにあたっています

ついつい熱がこもってしまいましたが(汗)、建物維持管理という仕事が、実は皆さんの身近でもお役に立っているかもしれない、なんて頭の片隅に置いておいてもらえたら嬉しいですね。


■今を前向きに解釈できる魔法の言葉「泰然自若」


僕のモットーは、泰然自若(たいぜんじじゃく)。

落ち着いて動じないさまを描いた四字熟語です。空港オペレーション会社で働いていた時に出会ったフリーランスのライターさんから教わりました。

何事も自分の思いどおりに進むことなんて、滅多にありませんよね。

空港で働いていればお客様から予期せぬクレームを受けますし、突然の海外転勤もありますし、転職したら4カ月で退職することになりますし、突然感染症が発生しますし……自分のキャリアを振り返っても予想外のことだらけです。

その予想外をいちいち「嫌なこと」だと思って落ち込んでいたら、一生落ち込み続けることになりかねません(笑)

だから「泰然自若」。この言葉を思い返して、目の前のことを落ち着いて、捉え直してみる。そうすると、自分なりにポジティブに捉えられる見方・考え方が必ず見つかります

言ってみれば、僕にとってこの言葉は、気持ちを明るい方へ導く灯台みたいなものです。

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クルーズ旅行の会社を4カ月で退職したときもそうでした。

なぜあんなタイミングで転職してしまったんだろうという後悔ではなく、自分がずっと憧れた仕事に就いて「やってみたいことができた」という達成感しかないんです。

20年近く社会人をやってきても、自分のこれまでのキャリアが正解だったかどうかなんてわかりません。

でも一つ思うのは、正解かどうかを決めるのは、他でもない自分自身であるということです。だから、せっかくなら自分が前向きになれる解釈をした方が絶対いいと思うんですよね。

この春、新しい環境で人間関係や仕事に悩む方が多いと思います。

壁にぶち当たったときも、心のどこかで「自分の考え方次第だよな」って思っていてほしいです。

そうするだけで、自然と道が開けたり、仕事が楽しくなりますから。

(終)

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