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市民ランナーグランドスラムのIT担当は、人生を目標ありきじゃなく、走る工程を楽しむ。

「目標を持て」とか、「達成のために努力しろ」とか言われますよね。

それも確かに大切。でも、あんまり考え過ぎると辛くなっちゃいませんか? 

私は、登山とランニングが趣味なんですけど、どっちもやってる最中は苦しいし、辛い。 

それでも、途中で見える景色や空の青さに感動したり、澄み渡る空気を思いっきり吸い込んだり。登頂なり、完走なりがタイムとして数字でわかるので、自分の成長過程を見える化することもできちゃいます。

つまるところ、過程にこそたくさんの楽しみがあるってことなんですよね。

まぁ、私は夢中になるあまり、

①富士山0合目からランニングし山頂まで4時間半で登る、富士登山競走。
②フルマラソンを3時間以内で走る
③100kmのウルトラマラソンを10時間以内に走る

市民ランナーの「グランドスラム」という称号まで獲得してしまったんですけど(笑)。 

それも「称号を獲るぞ!」なんて意気込んだわけじゃなくて、楽しんで続けていたら、いつの間にか達成していただけなんです。

私の仕事への向き合い方は、趣味と全く一緒。 

どんな辛い状況でも、「そんな今さえ楽しんでなんぼだ」って思ってます。

もし今、目標に押しつぶされそうな人にも、「この人、こんな気楽でいいな」くらい、笑って読んでもらえたら嬉しいですね。

 

【今回の社員】

シナネンホールディングス株式会社
IT戦略部 IT企画チーム
島田 陽

新卒で出版系企業の情報システム部に入社。その後、情報システム構築を専門とするIT企業に転職し、22年間勤務。2021年にシナネンホールディングス株式会社のIT戦略部に入社。

 

■自分の基盤を培ってくれた1社目から、テキストコミュニケーションが基本の情報システム会社へ

 
大学時代は、レーザー光の研究などの量子コンピュータの基礎研究をしていました。研究に没頭するのは良かったんですが、没頭し過ぎるあまり就職活動に乗り遅れて、なかなか内定がとれなくてですね……。

 「これはヤバイ!」と思って、なんとか内定を頂けたのが、出版系のIT企業でした。社員数は500~600名くらいだったかな。私は情報システム部に配属されました。

情報システム部は全8名と小規模。

メインの仕事は、ネットワーク、セキュリティ、情報共有基盤の構築だったんですけど、人数が少ないのでサーバを担いで社内を移動したり、新規の拠点にネットワークケーブルを接続しに行ったりして。

平たく言えば、何でも屋さんでした(笑)。

そのぶん、たくさんのことを経験させてもらえて、今となっては「情シスの基礎」を徹底的に学べた期間だったと思います。

分からないことは何でも先輩に聞けましたし、別部署の方との距離も近くて連携しやすく、とにかく楽しかった思い出ばかりです。期待に応えられる感覚が嬉しかったですし、頼られることが自信につながっていました。

でも、その会社の業績が傾いて、急きょ親会社に転籍することになってしまいました。

転籍先の社員数は何千人規模。また情報システム部に在籍することにはなったのですが、部のメンバーは70~80人。それぞれ専門性が異なるプロフェッショナルな方が集まっていて、中には外国籍のエンジニアもいました。

その規模感、部内の雰囲気のギャップに、入社時はさすがに戸惑いました。


■22年勤めることで感じた自分の存在意義


転籍先では、他部署からの問い合わせもメールで来くるんです。規模感からすれば、そりゃそうだって話なんですけど、1社目では直接声掛けできる環境だったので、これさえ驚きました。

でも、段々と分かってきたんです。

問い合わせを受けて、たった1通の返信で誤解を与えずに不明点を解決できたら、なんだか面白いなって。

問い合わせの履歴がデータとして溜まっていくので、類似ケースを探して参考にします。

あとは、相手が何を求めているのかよく考え、想像しながら文章で表現をしていくんです。「ここをこう書いたらミスリードかな」とか、「ここは具体例を書いたほうがイメージしやすいかな」とか

自分なりに工夫して返信して、「解決しました」って言ってもらえると、「やったー!」って心の中では叫んでましたね(笑)。

成功体験としては小さいかもしれないですけど、毎日積み重ねていって結構な経験値になっていたんじゃないかと思うんですよね。

次第に、ポータルサイトやメール、チャットなどの情報基盤も構築するといった大きなプロジェクトも任せてもらえるようになっていきました。

結果的には、この会社に22年勤めていました。

「なんでこんなに長く勤められたの?」って聞かれることもあります。

私はずっと情シスにいましたけど、異動するメンバーも少なくありません。異動があるたびに引継ぎを受けて、っていうのを続けていくと、段々私に情報が集まってくるわけです。 

次第に、いわゆる「生き字引」的な存在になっていきました。

そうなると相談も集まってきて、社内コミュニケーションが増えて、それがやりがいにもなっていたんです。

コツコツ続けていくなかで、新しい楽しさにも出会えて、いつの間にか22年が経っていたという感覚でした。


■1社目に似た雰囲気に、思わず「懐かしさ」と「感謝」の気持ちがあふれ出す


退職のきっかけは、かつての上司から声を掛けていただいたことです。

15年ほど前、同じ部署だったのは短い期間だったんですけど、その後もずっと交流が続いて仲良くさせていただいていました。

そこで誘われたのが、今いるシナネンホールディングスでした。 

40歳も過ぎて、65歳まで仕事をするならばちょうど折り返し地点。この機会に転職をして視野を広げてみるのも良いかなと思いました。

シナネンホールディングスは、エネルギー事業が軸にありながら、エネルギー以外の事業も展開する企業グループの持株会社です。

私が22年いた会社とは、業界も、ユーザーも全然違う。

だからこそ、自分にとって新しい経験ができますし、ここから先のキャリアを築く糧であり、成長につながると思ったんですよね。

実際に選考課程でシナネンホールディングスのIT戦略部の方々とお話ししたことも印象に残っています。

自分次第で色んな役割を担えたり、他部署の方々にも寄り添おうとされていて。それが1社目の情シス部と雰囲気がそっくりだったので、なんだか懐かしさも感じました。

自分のキャリアのベースをつくっていただいた1社目と重なって見えるシナネンホールディングス。

知識や経験を積んだ今、ここで力を発揮することは、私なりに1社目への恩返しにもなると思い、入社を決めました。

入社してすぐに取り組んだのが、IT戦略部への問い合わせを管理するシステムの導入です。

誰がどのような問い合わせをしているのかを可視化し、使っている方々の悩みが見てわかるようになりました。その結果、在宅勤務の中でも社内の方の悩みがわかるようになって、コミュニケーションのきっかけにもなっています。

一方で、社員の方々がストレスを感じることがあるのも理解しています。

「なんで会社のPCだとこれができないの?」とか、「こういうツール導入してほしい」とか、日常業務のなかで思うことはあるはずです。

私はシステム担当として、その思いや疑問に応える回答は持っているつもりです。

やった方がいいと思って、今まさに取り組んでいること。やりたいけど未だ着手できていないこと。そもそもやるべきではないこと。 

そう考える“理由”を社員の皆さんに伝わるように伝えるのも、システム担当の役目だと思っています。

相手の立場に立って疑問に応える。

大袈裟な言い方かもしれませんけど、これは自分が築いてきたキャリアの真骨頂でもあると思うんです。

コミュニケーションがあってこその最適なシステム構築。その先に業務効率化があると信じて、仕事と向き合っています。


■趣味も仕事も全力に。過程が全部楽しいから頑張れる

 
個人的な話になるんですけど、この9月に鎌倉に引っ越しました。

理由は、仕事も趣味もトコトン極めたいから

在宅勤務ができて、都内にこだわる必要もないので、だったら山も多い鎌倉で登山もランニングも楽しもうかなと。

なんでここまで極めることが好きなのかって考えると、父の存在が大きいと思います。

父は、若い頃に3交代制の工場に勤務していたんですけど、40代で総合研究所に異動し、定年まで研究職として働いていました。

どうやら父は研究のほうが性に合っていたらしく、いかに研究の仕事が楽しいかを毎晩お酒を飲みながら楽しそうに話していたんです。

その姿を見て育ったからか、幼い頃から「1つのことを貫くって面白いんだな」と思うようになっていきました

今の自分を翻ってみると、そんな父の背中を無意識に追っているような気がしています。

父は定年時に寄せ書きで「癒し系エンジニア」なんて書かれていて、私もそうかと言うとどうだろう?とは思うんですけど(笑)、これからも自分が心からやりたいことを突き詰めていきたいですね。

こうやって仕事に趣味に夢中になっていると、「島田さんって何を目指しているのですか?」と聞かれます。 

その問いに、私は「何をめざしているんでしょうね。ただ、今という過程は楽しんでいます!」といつも答えています。

今は明確な目標がなくても、没頭しているうちに道が開いていく。

だから、自分が今、本当に没頭したいことに全力を注ぐ。

将来の目標で苦しい思いをしている方は、一度肩の力を抜いてみるのも一手だと思います。

今を楽しむこと”を大事にしようと考え直してみると、新しい道が見えてくるかもしれませんから。

(終)

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