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限界を感じたら辞めてもいい。“逃げ”のような選択が10年越しで“糧”に変わった話

仕事でうまくいかないことが続いてしまうと、何もかも投げ出したくなるときってありますよね。
 
自分が頑張っていると思っている時はなおさら、「なんでこんなに頑張っているのに…」と、悲しいような、悔しいような、言葉にならない感情を、どこかにぶつけることもできず、悶々としてしまうなんてことも…。
 
私はありました。20代の頃、仕事を辞めて、海外留学に行ったことがあります。
 
仕事が忙しくて、辛くて、もう何もかも一度リセットできるように、遠くに行ってしまいたいと思って、現実から逃げ出したんです。
 
そこで気づきました。自分が見えていた世界が全てじゃなかったんだなって。
 
海外でも誰しも同じように忙しいのに、全然悶々としていないんです。

自分の想いや考えをどんどん口にして、時にはぶつかり合うことがあっても気にしない。尊敬・尊重のうえに、お互いに何でも言い合える人間関係を築いているんだと思いました。
 
その経験から吹っ切れて、帰国してからもいろんな仕事を経験した今だから言えるのは、一度投げ出したとしても、またそこから始めればいい、ということ。
 
ほんのちょっとの興味から行動してみるだけで、人生は大きく変わりますからね。
 
私の場合、今になってみれば、これまでの経験も苦労も、すべて、今このときのためにつながっていると思えるようになってきました。

 

【今回の社員】

シナネンアクシア株式会社
町田支店 BM事業部 マンション管理チーム
矢頭 真菜未

高校卒業後、アルバイトをしていた飲食チェーンに入社。すぐに店長に抜擢されて奮闘したのち退社。3ヶ月の語学留学を経験後、さまざまな仕事を経て2015年12月に株式会社インデス(現・シナネンアクシア株式会社)に入社。現在は、マンション管理チームにて、管理人の人事労務管理やマンション共用部の定期清掃・消防点検などの手配を担っている。


■学校でも、バイト先でも、“聞き役”に徹した学生時代


高校時代の私はというと“聞き役”が得意なタイプでした。

生徒会長もやっていたので、人前に立つことが苦手だったわけではないのですが、自分の確固たる意見があるわけでもなく……、みんなの意見を聞いてまとめていくのが一番いいやり方だと思っていたんです。
 
そのスタンスは、アルバイト先でも同じでした。

高校1年生から始めた飲食チェーン店でのバイトでは、徐々にセクションのリーダーを任されるようになったのですが、自分の意思でアクションを起こすというよりも、一緒に働く同世代の高校生やパートさんの意見をまとめたり、店長に言われたことに精一杯取り組んだりするのが得意でした。


そんな頑張りを認めてもらって、高校卒業後はアルバイト先の飲食チェーンに入社することになりました。

すぐに店長にも抜擢していただいたのですが、これが本当に大変で……。

数十名ものパート・アルバイトの管理はもちろん、毎日の売上管理や在庫のチェックなど、お店一つをまるっと任されるわけですから、アルバイトの時とは業務の量も質も全く違います。
 
幸い、お客様と接することは好きだったので、やりがいも感じられて、目まぐるしい毎日でも自分では充実感があるつもりでした。
 
それがあるとき、一瞬でした。
 
「プツンと糸が入れたように」なんて言われることもありますが、本当にその通りで、ある日、何の前触れもなく急に、立ち上がれないほど頑張れなくなってしまったんです。
 
正社員になって4年くらい経ったときでした。今思えば、心身ともに限界だったのだとわかります。
 
先のことは何にも考えずに、会社を辞めました。


さて、どうしようか……。そんな時に頭をよぎったのが、「海外留学」です。

実は、学生時代に2回ほど試みたことがあったんですが、当時の社会情勢も相まって断念せざるを得なくて。でも、ずっと、心に残っていて、今だったら、頑張って働いた分お金もあるし、時間もある。3度目の正直で、留学に挑戦してみることにしたんです。


■周りを気にせず、もっと自分が自由に楽しんでもいいかもしれない


当時22歳の私が一人で飛び出した先は、イギリスのロンドン3ヶ月間の語学留学です。

「教科書で見た『ストーンヘンジ』に行ってみたい!」という気持ちから選んだのですが、結局行かず(笑)、ロンドンを起点にさまざまな国を回りました。

とくに素晴らしかったのは、スペインの『サグラダ・ファミリア』。ガウディ建築が街中にあって、こんな場所があるんだ!と感動したのを覚えています。


滞在中、いろんな国を回って現地の人と触れ合ったり、語学学校に集まっているさまざまな国の友人と交流したりする中で、気づいたことがあります。
 
それは、誰もが自分の意見を持っていて、人にもはっきり伝えること

わからないことがあれば「わからない」と言いますし、自分の意見と違うことがあれば臆することなく主張する。
 
様々なバックボーン・文化で生まれ育った人たちが入り混じる環境下では、自分の考え・思いをきちんと主張しなければ、周りに自分のことを理解してもらえないわけです。
 
ずっと聞き役に徹して生きてきた私も、だんまりのままでは、いつまで経っても周りとコミュニケーションをとることもできません。
 
もっと発信してみようと思って、少しずつ自分の話をするようになっていきました。

幸い、とにかくみんな陽気で(笑)。知らない人にもどんどん声をかけて、「みんなで楽しもうぜ!」みたいな。日本の謙虚さや心配りも、もちろんいいところですが、周りを気にしてばかりいないで、楽しんでみてもいいかもしれないって思いました。


短くも濃い3ヶ月を経て、帰国しました。
 
その後のことはまだ何も考えられていなかったので、1日中ゲームをしたり家でゆっくりしたりと好きに過ごしてみたのですが、すぐに退屈になっちゃって。

私は外に出なくちゃダメなんだ”って気づき、派遣会社に登録しました。少しずつですが、また前向きにがんばれそうな気がしたんです。

まず担当することになったのは、クレジットカードの勧誘の仕事。以前だったら、自分から声をかけるような仕事は選ばなかったと思いますが、これも海外での経験のおかげです。お客様と話すのは楽しく、のびのびと働くことができました。

その後、結婚・出産を機に、育児との両立も考えて事務職に転職。数百枚もの書類の入力や請求書の発送など、あらゆる事務職を経験しました。


■会社のために自分の意見を伝える意味


子どもが1歳を迎え、正社員としての転職を考えていた頃。現在勤めている、シナネンアクシアの前身・インデスと出会いました。

面接の時のことは、今でも忘れられません。当時は、会社が大きく変わるタイミングだったこともあり、面接に同席されていた社長から、直々にお話を伺ったんです。
 
どんな思いで会社を変えようとしているのか。どこを目指しているのか。そして何より、会社を成長させていくには、社員全員で力を合わせることが必要なのだと。

強い想いに感銘を受けた私は、「ぜひここで一緒に頑張りたい」と入社を決意しました。
 
入社後に任されたのは、営業事務の仕事。しかし、新事業に取り組み始めたばかりということもあり、業務フローの構築から書類の管理、事務所の整理まで、やるべきことは山積みです。
 
最初はついていくのもやっとでしたが、営業や事務といった職種に関係なく意見を求められるのがうれしかったですね。

私だったらこうします」と臆せず意見を言えて、受け入れてもらえる。そうやって会社の一員として迎え入れてもらえたのがありがたかったですし、一緒になって会社をつくっていっていることに、やりがいを実感しました。


今年で入社10年目。会社のさまざまな転機に立会いってきました。とくに大きかった出来事は、昨年10月にグループ内で、同じ建物メンテナンスを手掛ける複数の会社が統合され、現在のシナネンアクシアが誕生したことです。
 
現在、私はマンションの管理人さんの人事労務管理を担当しているのですが、統合前の各社の業務フローを共有して、統一・最適化していかなくてはなりません。
 
そのために今まさに挑戦しているのが、業務フローのデジタル化です。たとえばAIを活用したシステムを導入することで、これまで手動で調整していた管理人さんのシフトをボタンひとつで調整できるようにしたり、管理人さんたちの求人活動に一部システムを導入し、さらなる効率化を図ったり。
 
各社の意見ややり方を取り入れながら、新たな基盤づくりに取り組んでいます。 


■自分だけじゃなく、みんなの声も聞くために


海外留学以降、転職も繰り返してきましたが、「自分の考えを発信すること」を大切にしているのは変わりません。
 
変わったのは、みんなにも同じように、自分の思いや考えを発信してほしい、と思うようになったことです。

どれだけ会社が大きくなっても、私が入社した頃みたいに、みんなが意見を言いやすい環境を大切にしたい。そういう環境だったことが、私自身の成長はもちろん、会社の成長も支えてきたと思うからです。
 
でも、「もっと意見言っていいからね」と言うだけで、部下や後輩の気持ちが変わるとは限りません。
 
他人の気持ちを変えるには、まず自分から
 
毎日大きな声で元気よく挨拶しますし、話しかけられたらいつでも耳を傾ける。テンションが低いと周りにも伝わるし、それが何かを言い出せないきっかけになってほしくないですからね。

小さなことだけど、そういう一つ一つが大事だと思うんです。
 


目の前のことに全力で向き合うのも大事です。でも、もし本当に辛かったら、自分の心の声から目を背けず、その声に従ってみたっていいと思います。

私自身、学生時代から生き方も、考え方も、ずいぶん変わってきましたけど、全部を投げ出した経験も、知らない世界に飛び込んだ経験も、想いに共感してがんばってきた経験も、すべて、今この瞬間のためだったんじゃないかって思っています。
 
たとえ、その時は逃げのようになっても、それがちゃんと糧になる。
 
どんな経験も、いつか繋がったと思える瞬間がきっとあります
 
いつか来るその瞬間のために、今があると思ってみたら、気持ちが少しは楽になるかもしれません。誰だって、どういう選択をしても、必ず前には進んでいますから。
 
(終)


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